Q&A

英会話習得に費やす時間の目安

はじめまして。英会話をこれから習得したいと考えているのですが、実際どの程度学習すれば習得できるのか目安はあるのでしょうか?過去に1万時間費やすと成功するというようなことを読んだことがあるのですが、これは英会話にも言えることでしょうか?言語なので直ぐに効果が現れるとは思っていませんが、1万時間は途方に暮れる長さなので本当にそれだけの覚悟が必要なのか教えて頂けると助かります。宜しくお願いします。

東京在住 男性(40歳)
ご質問ありがとうございます。1万時間は確かに気が遠くなる数字だと思います。まず大切なのは、ご自分がどのレベルに到達したいかを考えることではないかと思います。

「英語が話せるようになりたい」と願う人は多くいますが、「どのレベルに到達したいか」と聞くと答えられる人が少なくなります。ITの世界であれば、自分のブログやホームページを作れるレベルになりたいのか、Facebookのザッカーバーグ社長のようにSNSサイトを1から構築できる凄腕プログラマーになりたいのか。どのレベルに到達したいかによって最低限費やさなければならない時間が異なります。英会話にも全く同じことが言えます。

1万時間の法則:現実と誤解

2008年。著者マルコム・グラッドウェル氏は「天才! 成功する人々の法則」(講談社)の中で第一線で活躍する人は成功に辿り着くまでに平均して1万時間費やしているという研究を発表しました。このコンセプトは瞬く間に「成功の法則」として伝えられ、わたしも感銘を受けたのを覚えています。発明家トーマス・エジソンが「天才とは1%の才能と99%の努力」と語ったのと同じように、一定の努力を惜しまなければ、誰もが成功できる魔法の法則のように感じました。

ところが、よく噛み砕いてみると、この1万時間の法則に疑問を抱く人が多くいるのではないかと推測します。何故なら、グラッドウェル氏が「成功者」として紹介している事例はどれも、究極の成功を収めた人たち、即ちトップの中のトップだったということです。バスケットボールのマイケル・ジョーダン選手はプロになるまでに1万時間以上バスケの練習に時間を費やしており、プロになってからも、自主的に居残り練習をして腕に磨きをかけました。しかし、趣味でバスケットボールを始めたい人は、必ずしもマイケル・ジョーダンの域に達することを望んでいるわけではありません。プロ中のプロになりたい人と、楽しめるレベルに到達したい人では当然練習に費やす時間が異なってくるのです。1万時間は「頂点」を志す人の法則だと言えるのではないかと思います。

英会話の場合、もし国連の通訳者や欧米巨大企業の役員として成功したいのであれば英会話に1万時間以上費やす必要があるかもしれません。それぐらいの意気込みは期待したいものです。しかし、もし貴方が求めているレベルが日常会話に問題なく対応できるレベル、現状のレベルよりスムースに対応できるレベルを求めているのであれば、プロを目指す人と同じ条件は当てはまりません。即ち、1万時間も費やす必要はありません。

YouCanListenでは「35時間」と「100日」が大切な通過点だと考えています。最低でも35時間(これは座って教科書を見ていた時間ではなく、アクティブに英語を話した時間)、100日間継続することができれば、成功軌道に乗る土台ができあがるからです。これ以下で終わらせてしまうと、面白く感じる前に止めることになります。脳が情報を記憶するまで、一定期間反復練習が必須条件となりますので、100日以下ですと、効果は一時的で数ヶ月後(早ければ数週間後)に忘れてしまうことがあります。長く時間をかけることにデメリットはありませんが、短すぎるのは危険です。最低でも35時間・100日をひとつの目安にしてみてはいかがでしょうか?

YouCanListen
経営企画 統括マネージャー
木下真美

*英語スピーキングお悩み相談は期間限定で実施しております。ご利用はお一人様1回までとさせて頂いております。

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